【アートコミュニケータ講座2024開催レポート】
福井県主催、アーツ&コミュニティふくいが企画・運営協力をしていた「アートコミュニケータ講座2024」を12月6日(金)、7日(土)と2日間にわたって開催しました。

今回は「文化の生態系 その豊かなつながりを考える」をテーマに、(合社)文化コモンズ研究所代表の大澤寅雄さんを講師にお招きして実施しました。
6日(金)は、Luffにて講演「文化の生態系と文化的コモンズ-持続可能な文化活動のために-」と題した講演ならびに、参加者でのダイアローグを行いました。
自然の生態系の生態系の「生産者」「消費者」「分解者」の循環になぞらえ、文化生態系の視点から芸術文化は心の栄養として、人間らしい生活を営むものとして紐解いていきました。
また、元兵庫県豊岡市長の中貝宗治さんの著書『なぜ豊岡は世界に注目されるのか』の“深さをもった演劇のまちづくり”の中からの引用で「アーティストやアートをまちが受け入れることは、多様性を受け入れる風土を育み、自身と相容れないものをも受け入れる寛容性を高める」と紹介。
地域におけるコーディネーターの役割は、菌根菌のように、お互いに足りないものを与え合い、間に入ってつないでいき関係を築くことではないかといいます。
また、文化的コモンズは、多様な人々が入会地のように誰もが参加することができ、文化的活動や施設、さまざまな主体がつながっていくことで、有機的なつながりを生むと話します。
講演の後は、参加者でそれぞれの活動の紹介や感想共有を行いました。

翌日は、鯖江市まなべの館にて、ワークショップを開催。事例紹介として、鯖江市のまなべの館が主体の「まちなか芸術祭」について井上さんにお話をお聞きした後、土=養分、土壌、風=情報、アイディア、光=評論、批評、水=興味、関心などのカテゴリー毎で、それぞれが足りないものと提供できるものを出し合いながら、考えを深めていきました。
今回、文化の生態系という視点で学び、ユネスコの文化的多様性に関する世界宣言にある、「文化とは、芸術・文化だけではなく、生活様式、共生の方法、価値観、伝統及び信仰も含むものである」という言葉など、その多様性や生態系としての循環、根付くことの大切さを学びました。

